スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

歌集探訪Ⅱ「駅へ」

Ⅰをupしてから随分間が空いてしまってすみません。
引きたい歌が山ほどあって、全部載せてしまいそうになる。
しかも、一首一首の鑑賞記事を書こうとすればするほど
私の受けた感覚からズレてゆくような気がして、なかなか
書けないでいました。
でも、もう既にやりかけたこと。
上手く表現できないかも知れないけれど、最後まで書こうと
思う。

松村正直氏の「駅」へ


自らの吐き出した息を吸い込んでまた吐き出して閉ざされていく

天井の広さすなわちこの部屋の広さ どこに何を置こうが

雨の降る夢から覚めて雨の降る窓眺めおり車が通る


ひとり居の孤独感が、ひしひしと伝わってくる三首。
部屋には、自らの吐く息と家具。それがあるのみ。どこにも
作者自身の直接的な感情は書かれておらず、それだけに
伝わってくるものがあると思う。
一首を読む人が、きっと皆同じような景を想像することが
できるでしょう。それが松村氏の作品の一番素晴らしいところ
ではないかと私は思う。
作者と読者の間でブレることない景が描かれていて、まさに
共有することができるのだから凄いと思う。


坂道をのぼった先の陽炎のけれど僕らは比喩じゃないから

お手を触れないでください永遠が動き始めてしまいますから

語るほどに小さくなってゆく恋の日暮れ堤防に空缶ふたつ

待つように言ったら待ってくれたろう二十分でも二十年でも


恋の歌を三首(もっとあるのですよ?^^)
恋愛に於いて、消極的である。
でも単に消極的な性格なのだろうか?
それとも何かを恐れているのだろうか。
私は少し違う気がする。
自由であるフリーター、しかしながらその不安定さは作者に
クールであれと教える。
クールであらねばならないということかも知れない。
それを心の深いところで言い聞かせているように感じた。
恋愛に於いて消極的で、クールであるのも理解して欲しいの
かも知れないが、それ以上に相手を傷つけたくない。という
心の表れではないだろうかと思う。
個人的には、その目論見のない不器用さに惹かれる。


むしろ当たり前のさびしさなのでしょう食後二錠とでもいうように


と、ひとりの時には思う作者のことをそっと教えてあげたい気持ちになった(誰かに)


「駅へ」を読んでいると、風景に、人に、物に私自身もよく感じることが
松村氏の手によって短歌となっていると思うことが何度もあった。
下手糞な私に成り代わって、代弁してくれたようで凄く嬉しかった。
その一首一首の言葉選びは的確で、巧みと思う。


アパートの窓にも訪ねてくる月の淡い光の中に眠ろう

水割りの氷もみんな溶けたなら何を頼りの夜なのだろう

体臭も声も呼吸も記憶して部屋は日に日に内臓化する




スポンサーサイト

コメントの投稿

非公開コメント

こんばんは^^

惹かれるお歌がいくつもありましたよー!
西野さんが書かれているように、松村さんの短歌は読者の読みのブレが少ないかもしれないですね。
的確にものをとらえて表現をされていて。

天井の広さすなわちこの部屋の広さ どこに何を置こうが

↑これが一番好きです^^

イマイさんへ

こんにちはぁ。
松村さんの歌、いいでしょう?
大好きなんです!

むつかしいことは言わず、淡々と見たことを見たままに。
特に「駅へ」ではそういうお歌が多くあると思います。
私もこういう歌を詠えるようになりたいなぁ。。。。。

天井の歌、私も大好き!

こんばんは

昨日、とある歌を探すためにさいたま文学館まで出向きました。
結局目的の歌を見つけることはできませんでしたが、
平成9年のNHK歌壇誌(NHK短歌誌の前身)の投稿欄に
松村さんの歌をいくつか見つけました。
住所はたしか福島市になってました。

歌をメモしてくればよかったですね。ごめんなさい。m(_ _)m

煙草の吸殻を人の比喩としてつかっていた歌が入選していたのは
覚えています。

明日香さんがとりあげられた歌の中では
待つように言ったら待ってくれたろう二十分でも二十年でも
が好きです。


麦太朗さんへ

こんにちはぁ

 NHK歌壇の頃の松村さんの歌、興味ありありです!
煙草の吸殻かぁ・・・・・
私も病人の癖に、自ら買い物へも出られず
夫に煙草買ってきて~~~と言ってはイヤミを言われていますが
そんなチャッチイ歌ではなさそうですね。

待つように言ったら・・・・の歌、なんでもないようで深い歌ですよね。
気取らずに、誰が読んでも景が浮かぶ歌。
そこから読み取るものは人それぞれであって、読者にそこを委ねる歌。
そういう歌を私も目指したいとこのごろ思います。

麦太朗さんのお歌も、その名の通り素朴なお歌。好きだなぁ~~~

カテゴリ
最新コメント
最新トラックバック
最新記事
メールフォーム
月別アーカイブ
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QRコード
プロフィール

西野明日香

Author:西野明日香
ようこそいらっしゃいました!

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。