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「神の翼」より気になる短歌

嵯峨直樹さんの第一歌集「神の翼」より気になる短歌

その2

恋人との出会い~社会に於ける自分~恋人とのこれから

それらが交わりながら、この一冊はひとつの物語のようになっている気がします。

その物語の始まりの頃、こんな歌がありました。

海へいく道路の脇の自販機で買ったコーラはまだぬるかった

「コーラはぬるかった」ではなくて「まだぬるかった」
自販機に入れられてまだ時間があまり経っていないコーラのぬるさに似た、恋の始まりだった。
えっ、また私の都合にあわせて読んでしまってますか?

しかし、特に「コーラ」がぬるいと甘さが勝つもの。
喉にカーーッと来る感じは少なくて、甘さだけが残る感じ。
「静かに始まった恋」として私は読みたいのです。

そののちの

櫛でとく髪の匂いが広がって未だ見ぬ世界もう見た世界

という歌では髪の匂いに作者自身が包まれる距離は近く、想像していた恋人の姿が現実化してゆく。
女性が男性の目の前で髪をとくという行為は、心許すということの表れであろう。
少しずつ解き放たれる心を髪をとく匂いから作者は感じとっているのではないだろうか。
その一瞬のできごとを丁寧に拾い上げているところに、嵯峨さんの人柄がうかがえる気がします
最初に抱いた恋人の姿は確かだったのか、そしてもっともっとまだ見ない世界へと進んでゆきたい。
いつも恐る恐る進んでいる私には、そんな風に読めました。

でもあまり多くを語ると、まだこれから読もうとされる人に叱られちゃうので、あまり多くは語らずにいたいと思います。(って充分に語ってしまっていますが(汗)
それに、やっぱり短歌にはその中に言葉では言い尽くせないものが見え隠れしていて、それを形にすると、壊れてしまう気がします。

常に逃げることなく自己と向き合い、客観視して詠われた短歌ばかりで、それを他人が読んでいるということのギャップを少しでも少なくしたいという思いではありますが。

この歌集は、丁度初夏のこの時期に読むにはぴったりです。
ゆったりとした幕開けから少しずつ加速してゆく「焦り」や「不安」そしてそののちの未来へ向けて、約150ページの旅。
私もゆっくりと、その旅に触れてみたいと思っています。






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